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第四土曜日

私はいわば月二回棒給をもらう身なのだが、金曜日に思ったよりも給与が入ったのでちょっとだけ贅沢の土曜。壊れた扇風機を新しいのに買い替え、駐車券にスタンプを押してもらい、2軒先の大型書店で久しぶりに本を。特にエンタメ系本や雑誌の買い込み。
・ナンバー・プラス「UEFACL・決勝特集」
・サッカー批評・35
・特上カバチ!!・最新巻
・絶望に効く薬・第6巻

帰宅後、「サッカー批評」の洞察深い記事を読み、昼寝をして、午後、何とか安全衛生法の通信課題を仕上げる。今週は丸暗記続きで付け焼刃の感もあるが、何とか一息。

落ち着きを得て、「絶薬」の第6巻を。表紙を見て、しまったこれは購入したものだったか、と思って。
 ならば再度仕様がない、振り返る意味で読もうかと思ったら、どうも読み進むうちに購入していない一品ではないかと思った。友人宅で一度目を通したことがあったか。7巻は間違いなく持っているのだけど。

今は亡き河合隼雄さん、吉本ばなな、てんつくマンなるとんでもなく純な行動の人、そして堤清二(辻井蕎)、永田農法の永田照喜治さん。
どれも乾いた土に水がしみこむような思いで読んだ。
最後の永田氏との対談の巻と、作者の各作品附属エッセイを読み終え、シ~ンとする清清しさと深い気持ちに。宮沢賢治風にいえば「すきとおった風」か。

「日本化」された日本サッカー、を考察するインテリジェンス溢れる分析的な方法論をサッカーど素人の私が学びとして読むのも楽しかったし、同時に絶薬に登場する人たちのこと。おそらく同じように勝利の方程式を求めて懸命な知力を果たしても、「人間の自然(肉体・精神)」にノーとはいえない正直な人たちの悪戦苦闘のいわばものがたり。
ものがたりは続き、作者・山田玲司の自分との闘いは続くだろう。自分自身に対する常なる懐疑と、社会への懐疑をつなげながら。

それらは、まさに読み手の私に「貴方はどうする?」と問いを発する。そして幾つになっても読み返すたびにその問いは自分の中から湧き上がるだろう。

ただ、作者の筆致も突きつけるような初期の形からは変わっている。深みと広がりが、多くの対談相手との関係の中で出ているのが読んでてわかる。

何より、作者の各対談の後がきのエッセイがいい。よき聴き手はよき文章の書き手であるということの証明のようだ。

by ripit-5 | 2007-07-28 22:12 | 日々