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夏のような天気なのに

こんな日は涼を求めて海か森にドライビング♪なんてお気楽なことを語りたいのだが、午後の仕事は休みの中。篭りて。一応机の前に。

夜、「クローズアップ現代」を見ててフツフツと怒りが湧き上がってきた。だいたいが、評価が高いこの番組の女性司会者を私は嫌いなのだが。そんなことはどーでもよくて!

今、若者で東京でネットカフェ難民になっている人たちを取り上げていた。この番組が嫌いなのは、あらゆる社会問題をとりあげながら、それをどう意識化するかというところからは逃げている感じがとってもイヤなのだけれども。だって、そーいうのは結局は物見高い態度を残すだけだから。
しかし!ネットカフェ難民。この問題は若者の夢が明らかに閉じ込められている事実を告げている。

格差社会は明らかに顕在化している!

地方には仕事が無い若者が東京に代表される都市に集まる。ここには第一に中央と地方の確たる格差が象徴されている。そして上京しても居住生活する物価の問題がある。完全自由マーケットである中心都市には何ら社会的保証が無いという、中央の現実がある。それを放置する制度的な欠陥がある。

そしてもう一点は、際限が無くなった派遣労働の歯止めの無さ。大体、派遣労働は本来事務労働者にのみ認められていた。それがより緩和され、現在では製造業などの一般的な男性がつく作業労働にまで認められてしまっている。派遣労働はほとんど日雇いに近い形で雇用契約され、そして一人頭1万2千円の派遣先から派遣元への契約料は6割近く派遣会社の懐に入り、本人労働者には6千円も行かない。一日9時間近く働いて。ちなみに派遣労働者組合を作って臨んだ派遣元会社の談合先はテレビではグッドウィルだった。

しかし、労基法6条では中間搾取の排除を掲げ、反すると1年以下の懲役なのだが、通達では派遣労働は「派遣元と労働者との間の労働契約関係」と「派遣先と労働者の間の指揮監督関係」のあわせたもの全体が労働者の労働関係となるので、派遣元による労働者派遣は中間搾取に該当しない、となっている。机上的な概念としては正しくとも、実態は、これでは中間搾取になっているといえるのではないか。

これから地方との格差、そして今後世代の格差により、親も生活に困窮する世代が増え、ふるさとを失ってしまった若者が夢を追うというよりも、居場所を失って、光とまばゆさと喧騒の影に明日をもしれない夢どころか、現実の明日が地獄に見える世代が現れるかもしれない。
否、すでに現れているのではないか?
これって、戦前の不況期の社会環境に似てない?まばゆさの影に。

これがいまの日本の現実なのか?そう、おそらく現実なのだ。

産業界の意向に配慮してきた結果、労働行政、そして厚生行政もどんどん民営化路線とともに、「消費者自己責任」の印籠で公的責任を放棄しているといえるだろう。

介護保険も公的保険であることを忘れてはいけない。いわば、民間業者が公金横領をしてきたのだ。コムスンも同じ公金横領してきた●●●に営業譲渡しようとするのも判らない。第二、第三のコムスンに近い事業者も多いのではないか?

発足当時、現場でもカンカンガクガクのことを言われ、「発足したばかりだから」といいいい、してきてこの結果だ。

いま最もホットな、というかこの10数年重要な案件ばかりかかえた厚生と労働の行政を似た部分があるとはいえ、一人の大臣だけおく厚生労働省にした、所謂「省庁再編」というのもわからん。だって、今では内閣府だの、また沢山わけわからん(といってはいけないが)大臣がふえているではないか。それよりも、厚生労働省の仕事にキチンとした枠組みを作れよ。少子化担当大臣なんて厚生労働行政の枠組みだし、経済産業省との連携でやることではないか?

行政のスリム化。しかし、介護保険事業者におけるカネ目当て。こんなことはある意味必然だった。労働基準の緩和。ここから労働者の社会的転落。これも必然だった。

19世紀英国で、いわゆる現代に通ずる都市労働者問題が噴出し、それを社会調査やセツルメント運動が世の中に「労働問題」を認識せしめ、それが資本主義の好不況の波を何とかするため、ケインズ主義が経済学から表れ、宗教的慈善運動の限界も見極め、科学的社会問題調査を経てベバレッジ報告まで至り、ドイツで独自に発達した社会保障との合流的流れで第二次大戦後「ゆりかごから墓場まで」の社会保障政策が確立した。その歴史は後戻りして同じ轍を踏みながらまたやり直しなのか?

俺の腹は決まってしまった。今度の選挙は確かな野党に入れさせてもらう。
この国はハッキリ、美しくない。
トップの掲げる「国」の問題はボトム(年金問題、介護保険問題、若年者派遣労働者問題)等々で「国」の問題が逆の形で明らかになった、と見きわめられた。今度ばかりは、私はそう思うに至った。

by ripit-5 | 2007-06-12 22:40 | 格差・貧困 & 中流崩壊?