こうの史代さんの描く女性たち

何度か絶賛している漫画家、こうの史代さんの描く女性たちは、手垢まみれの表現かもしれないが、「芯の強さ」を強く感じる。打たれても、傷つけられても、そのような状況に置かれたことさえ、男は全然気づかないでいた、というほどの強さ。

古風な、といえばどうなのだろうか。
今も昔も変わらない、良質な女性たちの姿だ、といえば、どうなのだろうか。

いずれにしても、こうのさん自身の根本的に持つ資質ではないか?とまでいうと、ファンの自画自賛の妄想だろうか。

「さんさん録」の中の一節。主人公が息子の妻に語る場面。
「・・・しかし言いにくい事を 言ってくれたり 言ってしまいそうな事を 言わずにいてくれたり」「あんたは 優しい子だなあ」
この台詞を、そのままこうの漫画の性格と位置づけたい。
作品の全体像を把握しないところで、台詞だけを抜き出しても説得力が弱いかもしれないが。

こうの漫画のもう一つの特徴は、先の台詞にかかわる優しさをサイレントの人の動きや仕草で見せる力量にもある。

静かで、穏やかで優しい強さ。


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by ripit-5 | 2006-08-05 22:19 | こうの史代