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この数日の新聞記事から。

 今月は変形労働時間制で、一月の枠組みの中で12時間拘束の日が18日。休みが平日の日の今日、書き込みをしています。穏やかな秋晴れの日、散歩してネット巡回した後、ここ何日間かの新聞の切抜きして録画した「爆問学問」を見ながら昼食をとった後に昼寝。いまネットに向かっているところ。地元紙北海道新聞記事を読みながら直対応的な感想を加えた日記です。ゆえに特段深い意味をちゃんと伝える感じではございません。お気楽な感じですので、お許しを。ではまず。

9月6日・朝刊。「シリーズ評論・政権交代・6」今回の政変での意味、中島岳志さん。彼はまず今世紀に入っての「世論」の乱高下に懸念を示す。新政権ばかりでなく、今までの自民党党首の就任時人気と、その後の人気急下降も含めて。世論が激しく乱高下しているのだ。と。何かの拍子に「気分」が変われば、すぐに引きずり下ろす、と。彼は政治家もさることながら、「有権者は我慢することを覚えるべきではないか」「ぶれているのはむしろ国民の方である」「首尾一貫したモノの見方をして冷静な判断を重ねない限り、デモクラシーは成熟しない」と耳が痛い指摘。これはこのシリーズの第一回目でカン・サンジュンさんも懸念している話で、カンさんは「世論の温度の高低に政治家自身が引きずられている」「世論を高める政治家もいるが同じ政治家が世論の温度を急激に冷ましてしまい、政治家が結果的にぶれている」といった趣旨のことを語っており、こちらは政治家の姿勢を懸念する方向を示している。いずれも示唆的で、両者の観点が意味ある認識ならば、政治家に対する我々も。きっと、お互い様のところがあるわけで。何故このような「気分」の乱高下が起こり、政治家は何故にそれに歩調をあわせてしまうようになったのか。
この数日の新聞記事から。_d0134515_18515114.jpg

 いまの現状とこの現状に至っている過程を考える必要がありそうだ。もちろん、多くの人は「直感的」には何となく分かっていることなのだが、”それ”を、つまり90年代以後の「日本斜陽」時代に生きる我々一般人と政治家の感覚の両方を。理解している批評が出てくるのが待たれる。”それ”をわしづかみできている批評家の誕生を個人的には待望するところ。

 もう一つはやはり小選挙区制の問題。中島氏は専門家などが指摘するとおりで、現行制度の有権者投票の数パーセントの違いで議席数が大きく開いてしまう小選挙区制度には弊害がある点を指摘する。そして中選挙区制の復活もアリではないか、との所見も述べている。この点では政治改革に最初にかかわった「新党さきがけ」代表だったムーミンパパこと、竹村正義氏の発言も興味深い。
この数日の新聞記事から。_d0134515_18552867.jpg

 竹村氏は最初「小選挙区250、単純比例区250」の半分ずつの形を考えていた。それが小選挙区300、比例区200になり、自民党の攻勢で比例区は「ブロック制」となった。竹村氏はこのブロック制に屈したのを悔やむ。彼の正論は単純比例制であり、単純に政党の得票数の配分による比例議席である。この内容はビデオニュースの「マル激トーク・オン・ディマンド」に武村氏が出演した回で詳しくのべられている。民主党政権が生まれた今、鳩山氏に最も早く新党参加を呼びかけ、同時に民主党への入党を「排除の論理」で蹴られた竹村氏の話は大変に興味深い。(恨みがましいことを云わない好い人だ。)有料視聴なのが残念。あとは9月末発売の季刊誌「SIGHT」も要チェック。武村氏とともにさきがけの生みの親であり、細川連立政権の知恵袋だった田中秀征氏のインタビューが載る予定。また、今秋のSIGHTは湯浅誠氏も初登場の予定だ。なぜ今までノー・チェックだったのか不思議に思うのだが。
(おまけ:民主党結党時の鳩山由紀夫代表)



 おなじく9月6日・朝刊。ロンドンでのG20財務省会議共同声明記事。その声明の中では「市場機能の透明性への改善」「IMFにおける新興国の発言力を大幅に高める」「銀行の高額報酬を制限する国際基準を作る」などとあるが、どうも時代が常に進歩を何でも”良し”とする限り、このような共同声明も何かのはずみにマネーの動きがまた活発になってくると、資本主義の錦の御旗でウヤムヤのまま反故にされ、同じ轍を踏むような気がする。本来はデフォルトとかスワップとか、為替相場とか。その種のマネー資本主義自体をちゃんと統制すべきなのだ。でないとまたぞろマネーが妖怪化し、世界中を徘徊しはじめる気がする。こちらも「世論の乱高下」の比喩じゃないが、数字に踊らされる乱高下がまたぞろ始まるのではないかと恐れる。いま、驚くほどに早く、ひと頃の金融資本主義批判が減っている。だが、金融経済の自由主義の弊害でいの一番に生活被害を受けるのは一般庶民なのだ。それを忘れるわけにはいかない。

 9月9日記事。北海道内小中学校の非正規教員の69%が「雇い止め」不安を感じながら働き、なんと、1週間の総労働時間が「過労死ライン」に該当する週60時間(!)以上の教師が46%を占めるという愕然とする記事。雇用期間は1年以内が一番多く、再雇用されるか怯えつつ、半分以上が過労死ラインで教職を務める非正規の教師たち。80%が正規教員になることを希望しているが、この長時間労働で正規採用のための勉強をする時間が取れないとの話。むべなるかな。余裕の無い教師に教わる子どもが幸せになれるわけはない。教師は教科を教えるが、子どもに夢を伝える仕事でもあるのだ。夢を伝えるには余裕が無ければ話にならない。余りに問題がありすぎてコメントすべき言葉も見付からない。新政権の大きな課題の一つでしょう。社民党の福島党首は「雇用担当」の大臣を希望しているらしいが。。。どうなるか。
asahi.com(朝日新聞社):福島党首の入閣決定 社民、雇用担当相を軸に検討  

 特別ピックアップしているわけではないのだが、何だか気持ちが暗くなる(苦笑)。最後は夕刊のエッセイ。円城塔という作家が中上健次が設立した「熊野大学」で研修を過ごした話。(9月9日夕刊)
 紀伊半島、熊野新宮市は確かに熊野三山に含まれる神域。新宮市の駅前には中上健次氏が土地の名士として大きく紹介されていた。
この数日の新聞記事から。_d0134515_1825521.jpg

 自分にとっても、和歌山県田辺市から熊野本宮を目指す「中辺路古道」を歩いた日が懐かしい。とてもスペシャルな体験だった。自分のように北海道で生まれて生きるものにとっては。
 熊野三山は熊野本宮大社、熊野新宮(熊野速玉大社)、そして那智の滝(熊野那智大社)が御神体となる。この三箇所を歩くことが中世からの庶民の身浄めの夢であった。ぜひまた古道歩きはしてみたい。今度は熊野から奈良の吉野へ抜ける一番険しい道を歩く日を夢を見ている。僕はまだ日本人の原風景を知りたい思いが強い。北海道が日本や日本人のイメージと少々違う感覚がどこか抜けないし、しかしどこかで幼少時から日本人的DNAも感じるからだ。日本的原風景を身近にほとんど感じなかったはずなのに。だから「風景」を確かめたくなる。中将姫伝説のある奈良の二上山に沈む夕日を見たときも凄く感動したなぁ。ああ、旅に行きたい!(笑)。現実逃避はいかんですな。
この数日の新聞記事から。_d0134515_1821256.jpg
この数日の新聞記事から。_d0134515_1822989.jpg


 今日の新聞朝刊にはまだ載っていないが、いよいよオバマ氏が国民皆医療制度を提案し、国政最大の関門に立ち向かう構えだ。日本人には正直、何とも理解しがたい国民の反対の力だけれども、国民皆医療制度が動き出せば、絶対国民はその恩恵の重要さに気づくと思う。人さまの国のことながら、オバマ氏には是非頑張って皆保険制度の道筋をつけてもらいたいもの。

Excite エキサイト : 国際ニュース


「オバマ大統領、医療保険改革で演説」 News i - TBSの動画ニュースサイト

by ripit-5 | 2009-09-10 16:34 | 社会