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個室ビデオ店 放火事件

 実はこのような業態のサービス業があったなんて全く知りませんでした。
 最初は社名のイメージからカラオケ店の出火事件だと思ったんです。それにしては、死者の数も多すぎるし、いくら煙にやられたにしても逃げ切れない人がそんなにいたのか?とトンチンカンの理解をしたんです。
 しかし、いわばネットカフェのような役割を果たしている場所だったんですね。
 1500円で住まう簡易宿泊施設に順ずるようなもの、か。
 建築基準法上の問題がこれから語られるのではないかと思うのですが、業態が宿泊施設ではないとすると、防災法上の問題はクリアしているとなると、非常にやっかいだ。

 同時に、とてもナイーヴな現代的問題ですね。湯浅誠さんがいう「貧困ビジネス」とは意味が違うでしょうが、”住”の問題を抱えた人のニーズを結果的に果たしていたことになる。

 僕はずっと前に自分が住む区の大型スーパーの跡に出来た複合レジャー施設、そこはネットカフェ、カラオケ、マンガ喫茶、ゲーム場で成り立つ大型店で、それが出来たときテレビで持ち上げ、その際に使われた表現として「時間消費産業」という言われ方がされまして、何だかその言葉にとても強い違和感を感じた記憶があります。(05年10月1日の日記)

 しかし、「時間消費産業」は今や意味合いを逆転し、まさに生きるための(寝るための)時間消費産業の場所に、それと類似の店がなりつつあったのだと。

 寄場とか飯場とかそんな差別的な表現は使いたくないけれど(そもそも、これらの言葉は漢字変換がされない。明らかに差別用語だからでしょう)、意匠は多少綺麗であれ、そういうかたち、形態で過ごさざるを得ない人がいるということにまた改めて気づかされ、愕然とするのです。

 目に見えない形で衣食住の基本に関る安心からも滑り落ちている人がいる。本来その「衣食住」という原則を基盤に福祉措置というものがあるべきはずですが、そういうものが目に見えないところにわき置かれ、変わりに民間のエンターティンメント産業における隙間的な部分が、あくまで結果的に住に困る人を救う形になっているのかもしれない。
 しかし、もちろん福祉住宅のわけではないから、宿泊施設に必要な設備は無い。。。

 う~む。。。本当に重たい話だ。やはり政治として本来考えなければならないことで、「見えない貧困」の一つのケースを(また)見せられたような思いにさせられた。

by ripit-5 | 2008-10-01 22:02 | 格差・貧困 & 中流崩壊?