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社会構造を変ええる可能性を考える(2)

 さてそのような中、この秋以降の恐慌前夜の流れの中で、またその前段であったネットカフェ難民問題等で、派遣や非正規労働が社会問題として「せりあがって」きたために、運動の側もやっと気づいたというか、見えなかったものが見え始めた。

 また、日本の社会構造のもう一つの重要な切り口として、「家族の縮小」がある。核家族化と「核家族の経済格差」が世代間の貧困継承を生み出し始めている。
 その流れの延長上には「単身者社会」の大きな流れがある。単身者の若者、あるいは配偶者を失った単身高齢者の増加である。日本の、あるいは日本企業の住宅政策一つとっても基本に「家族」の住居、という考えがある。だから、単身者の住居の問題という部分が欠落している。

 これらの長い長い社会背景の変化の話を経た上で(苦笑)。
 今後はいよいよ、社会福祉を企業が肩代わりする社会から、社会全体で扶助機能を果たしていかなければならない。
 それは具体的には、住宅扶助、教育扶助、失業扶助、資産形成扶助、職業訓練扶助である。
 現行の社会保険制度の条件では、こぼれ落ちていく層が増えていく。企業福祉と社会保険(労働雇用保険と医療年金保険)での生活扶助形態が終身雇用制度の崩壊とともに崩れた以上、一挙に生活保護に陥る前の社会保障制度がバッファーになり、安全ネットにならなければならない。

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 大変に長くなってしまったが、僕にはこれらが日本の一般市民層の大枠で、安心である生き方の今後を考える大きなポイントだと切実に思う。
 今までは生産性のイノベートの話しかなかったが、もちろんそれも重要な話だが、まず根本的に人間が安心して生きられる暮らしが土台にないと、すべてが成り立ち得ない。人が生きる意欲を持てなければ、生産性もあがりようがないし、アイデアも消費意欲も起きないだろう。

 タテ割り行政を横断的に組み立てなおす。いわばヨーロッパ的なやり方はドラステックなので、どう考えてもいまの政権では無理だろう。

 ネットの社会系ブログなどでは、湯浅誠さんを政治に、という声も結構あるようだが、ぼくはいつもそれはどうなんだろう?という疑問符があった。本人も迷惑であろうと。

 ただ、今後日本が極まるような状況になれば、と僕自身が少し気持ちが変わってきている。
 例えば、内政に限って、救国的な、というと大げさだけどもそのような社会保障制度を組み替える大きな仕事をする内閣を作って、制度をヨーロッパ的に組み替えるなら、かくすべきかたちを作るために長妻議員や、湯浅氏、河添誠氏のような若い人たちがこの国の社会保障制度の新構築のために働いてくれるなら、人々の信任を十分得られながら進め得ると思うのだ。
 そして一仕事を終えたとき、また現場に戻ってくれたら。。。

ニュースの深層「広がる貧困に歯止めは?」湯浅誠 宮崎哲弥 (49分09秒)

 今回の派遣村が画期的だったのは、今までしがらみがありお互いに葛藤もあるらしいナショナルセンターである連合以外の組合も一括結集し、与野党政治家も動いたことだという。小さいながら(?)坂本竜馬的な活躍を派遣村のスタッフはやってみせたことになる。この動きを契機として、まずは人々の安心を守る社会保障制度再構築の動きまで継承させてほしいと願うのだ。

 以上、えらく大上段に構えたタイトルでだぼらを吹いてしまいました。ソーリー!

 それから、コメントは承認制で受け付けることが出来るようにエキサイト・ブログ、なりました。こちらも承認制にしましたので、何か有益なご意見やご批判等があればお伝えください。
では、延々と失礼しました。


by ripit-5 | 2009-02-08 12:10 | 格差・貧困 & 中流崩壊?