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David Byrne & Brian Eno - Everything That Happens Will Happen Today

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 久しぶりに洋楽の話題です。このところずっと硬い話ばかり書いていたので。
 そしてこれがまた、超がつく久しぶりの関係ですが、元トーキング・ヘッズのデヴィット・バーンとブライアン・イーノとの共作アルバムがしばらく前に出ました。その内容の全編。太っ腹なことに彼らのマイスペースとオフィシャル・サイトで全曲聴くことが出来ます。

 僕はこのところ少し前からこのアルバムの楽曲を聴いていましたが、正直こんなに良いとは思いませんでした。この種のタイプの新作では最近ではもっとも完成度が高い気がします。トータルアルバム形式ではないのに全部通して聞けてしまうのが凄い。プロダクションと楽曲の質の高さゆえと思います。

 実は僕は80年代ニューウェイヴ小僧でして、特にUKニュー・ウェイヴ中心に聞いてきた人間です。トーキング・ヘッズも名作「リメイン・イン・ライト」まではかなり印象が良いバンドでした。ただ、その後特にですが、デヴィット・バーンのボーカルなんですけれども。彼自身のチャレンジがワールドワイドな広がりを見せたり、ちょっとルーツ系の音へ向き合ったりして、言葉は悪いですが音楽で遊ぶ、チャレンジングする若気あるロックの枠におさまらず、いろいろなスタイルに向き合いながら、基本的にオーソドックスなアプローチをするようになると、彼のボーカルが何となくフェイクっぽい感じがして。特に評論家筋の受けが良いと天邪鬼の気が出て、ますます「そうなのかい?」みたいな。。。

 簡単にいうと、「ボーカルがつらいな」って感じだったのですが。

 今作はいいです。非常にソウルフルというか、スピリチュアルな高揚するメロディが沢山出てくるのですが、どれもポップな仕上がりになっているのも感心。イーノとバーンどちらがどの程度のイニシアティヴをとっているのか分かりませんが、元々デヴィット・バーンはポップなメロディ、覚えやすい楽曲を書ける人ですから、メロディはバーンが、音響やアレンジメントはイーノが、って感じなんじゃないかと推測しますが。。。

 あ、僕は基本的にデヴィット・バーンの側の感覚から書いていますが、バーン&イーノの最初のコラボのイメージを持っている人も中にはいるかもしれませんね。実は80年代初頭の彼らのアルバムにある音響実験的な要素は本作にはほとんどないと云って良いのではないかと。印象としてはバーンのソロにイーノが深く係わったという感じです。

 何しろ、聞きやすくて、深い。そして、どこか初期XTCあたりもほうふつさせるニュー・ウェイヴチックな実験ポップ的なタイプの曲がアルバムの中に良いスパイスとしてあります。日本盤は出ないみたいですが、書いたようにマイスペで全部聞けますし、オフィシャルサイトではバーンのライヴEPも聞けます。そしてナント、アルバムのシート(というのかな?)も入手できます。もちろんタダ。音はそりゃ、CD、LPに比べれば比較できないでしょうけど、しかしこれだけのクオリティの作品を惜しげもなく提供してくれるとは。。。いやはや凄い時代だなぁと思います。

 あの時代の音楽が好きだった人はぜひ聞いてみてください。おそらく加齢を加えたバーンの歌声も理解できるのでは。本格派シンガーではないけれど、ずっと自然体の歌声になりました。
 そして音のアレンジの素晴らしさですね。
 う~ん。これはやはりCDが欲しい。でもそれもすぐにナカナカとはいかぬところが苦しいところだなぁ、自分。でもナントカいずれ買おうと思っています。ミュージシャンにも失礼だしね。これだけクオリティが高いものを。タダ聴きするばかりだというのも、ね。

Everything That Happens Will Happen Today

David Byrne;Brian Eno / Todo Mundo


彼らのマイスペース

彼らのオフィシャルサイト

by ripit-5 | 2009-06-21 17:42 | 音楽(洋楽中心)